水素エンジン車

RX-8ハイドロジェンRE 次世代自動車の主役が何になるか。これは実に興味深いテーマです。

ハイブリッド車、電気自動車、クリーンディーゼル車、天然ガス車、ハイブリッド・ディーゼル車、水素エンジン車等が候補にあげられます。近未来の勢力図としては、トヨタ、ホンダ等が先行するハイブリッド勢が優勢だと言えましょうか。ただ、ハイブリッドなら良いのですが、将来、化石燃料が完全に枯渇した時には、モーターのみで駆動する電気自動車しかなくなってしまうのだとしたら、実に寂しい限りです。

DUCATI、ハーレー、フェラーリ、ポルシェ・・・。我々は内燃機関という、混合気の爆発を伴うエンジンの魅力を知ってしまいました。このアナログ的なフィーリングを持つ人類が生み出した宝石を、将来博物館行きにしてしまうのはあまりに惜しい事です。車好きとしては、エモーションや体温を感じさせないモーター駆動より、動物的な鼓動を発する内燃機関の未来技術の方に惹かれます。しかもそれが、燃やしても水しか生成しない「水素エネルギー」と、日本固有の「ロータリーエンジン」との組み合わせからなる「水素ロータリー」とは、実に魅力的ではありませんか。

水素エンジン車の場合は、水素燃料を供給するインフラの整備が必要となる点、航続距離の問題、事故時の水素燃料の危険性の問題等、解決しなければならない点はまだ色々あるようです。海外ではBMWやオペルも水素レシプロ・エンジンの研究開発を行っています。ですが、それらに先行し、「ハイブリッド・水素ロータリー」技術で、実用車両を完成させてしまったマツダの研究努力は賞賛に値すると思います。考えてみれば、我々の日常では、ガソリンでも軽油でもない、LPガスを燃料とするタクシーが普通に走っています。それを考えれば、この技術が一般化するか否かは、支持を得られるかどうかという部分にかかっているのではないかと思います。それと、インフラ整備に係るコスト負担をどう処理するかという問題も解決しなければなりません。

ただ私は、この問題は、更に大きな視点から、国益や国防の観点をも交えて考察する必要があるのではないかと考えます。つまり、どちらの技術がクリーンで経済性に優れているかと言う事ではなくて、どちらの技術が、世界を動かすパワーに対して影響力を持つ事が出来るかという部分にまで踏み込む必要があると考えます。電気自動車の場合は、石油メージャーにとってはあまり旨味のない話なのかもしれません。電気自動車関連銘柄の株価が上がるのみで終わってしまいます。政治的カードにはなりえません。

ところが、水素エンジンの場合は、ガソリンと似た流通設備、つまり、水素の生成施設や貯蔵設備、輸送手段や水素供給ステーション等が必要となりますので、石油メージャーにとって望ましい石油の代替産業となりえます。ましてや、ガソリンとのハイブリッドであればその移行も容易に行えます。という事は、石油メージャーは、水素エネルギーの将来に、乗ってくる可能性があるという事です。日本がこれらの技術で先行し、この技術が世界スタンダードになるような努力もしていけば、世界の石油メージャーとの強力な協力関係を永続的に築くことが可能となります。これは、世界を動かす勢力に対してイニシアチブを握る、最大のチャンスとなります。

2006年の資料によると、日本の石油の備蓄量は国家備蓄分が91日分、民間備蓄が76日分です。そして、日本で使用される石油の約4割を自動車が消費しています。資源のない日本が、他国の圧力に屈することなく自衛していくには、自ら道を切り開いて行く必要があります。9・11テロ後にアメリカがイラクに対して行った一連の軍事行動や、ブッシュ政権を取り巻く石油に絡む利権構造を思い出してください。それほどまでに、国家にとって石油パワーは強大です。そして先の大戦で、日本が米国との開戦に追い込まれた最後の一手は、アメリカがとった石油等の対日禁輸政策だった事も忘れてはなりません。

今こそ国家プロジェクトとして、この水素エネルギープロジェクトを推し進め、輸出産業にまで高めていくべきではないでしょうか。将来的にそれが、日本のライフラインとしても機能するでしょう。今の日本は、自国の生死を、性善説に基く他国の良心と市場原理に預けすぎています。核を持たない日本が今行える事は、核以外のエネルギー技術で先行する事です。そしてそれらの努力が実ったときに初めて、輸入オレンジの農薬問題や、牛肉のBSE問題、イラク戦争等に対してNOを言う事が可能になります。憲法問題に手をつける前にやるべき事があります。アメリカからの真の独立を行うには、エネルギー問題の解決は不可欠です。そして、中国・朝鮮への土下座外交を不要にする秘策もここにあると考えます。

ところで日本の国家予算の内、一般会計は80兆円、特別会計は31種類460兆円。

最近はこの特別会計という、一般予算の実に6倍弱にものぼる裏の財布の問題が明らかになり、官僚の呆れた天下り問題や、癒着構造からなる無駄な施設の建設問題、縦割り構造が生み出す未消化余剰予算の問題等が明らかになってきています。

ただ、ケインズ主義的には積極的な設備投資を行うことは善であって、問題はそれが不必要な設備に向けられている事、環境破壊問題と結びついる事、及び、それらを取り巻く癒着の構造が無駄な予算を消化してしまっている事、アンフェアな賃金格差を生んでいる事。

国は設備投資をしたくてしてくてしょうがないのです。そして今、ちょうど良い投資先が見つかりました。マツダが現在、小予算で独自に進めているこの水素エンジンの開発を、国家プロジェクトに移行し、巨費を投じて研究するのです。そして水素エネルギーに関連するインフラ設備の研究・開発・整備も同時に推し進めます。天下り問題で注目されている、週一勤務で高給取りの元官僚の方々にも、各関連団体間の調整役として尽力してもらいましょう。自動車メーカー間の技術協力も必要ですし、外国のエネルギー団体を取り込む努力も必要でしょう。

ただし、新たに公益法人を作るのには及びません。エネルギー関連団体は既にたくさんありますので・・・。

旧き良き技術を残して、世界中の車好きに喜ばれる。環境にもやさしい。国防にも有効。日本は尊敬される。

理想的なプランだと思いませんか?

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自動車・批判・批評・評価・評論テーマ:★MAZDA車★ - ジャンル:車・バイク
2006.04.10 | 次世代自動車 | トラックバック(0) | コメント(0) |












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