オーリス

有力企業の広告宣伝費

  • 2005年度の有力企業4737社の広告宣伝費は前年度比3.45%増の3兆5009億円となり、04年度に引き続き増加した。企業別ではトヨタ自動車が1029億円と3年ぶりに1000億円の大台に乗せ、11年連続で首位となった。[日経広告研究所]
  • リコール王・トヨタ “口止め料”日本一の威力

  • 7月20日に国交省に提出された報告書ではクレーム(不具合件数)隠しも明らかとなり、いよいよ三菱に似てきたトヨタ。しかしマスコミは、同社が放つ年1,000億円超の広告宣伝費に懐柔され、死者が出るまで追究しないつもりだ。(07/26 2006)[MyNewsJapan]
  • 私は、そんな事はないと思っています。

    現に日本人でも、外国の自動車メーカーで活躍するデザイナーがいます。他の業界でも、世界のフィールドで活躍する、日本人デザイナーはいます。

    では何故、日本車のデザインは良くならないのか?

    何故日本車のデザインは、外タレ・デザイナーに発注しても良くならないのか?

    何故日本車のデザインは、外国のデザイン・センターに発注しても良くならないのか?

    その理由は、自動車メーカーによって様々でありましょう。

    ただ、トヨタの場合は、おおよそこんな感じです。

    トヨタにとっては、車のエクステリア・デザインは、広告の一要素でしかありません。車のエクステリア・デザインは、車の一要素なのではなく、広告の一要素なのです。車は、広告のために存在するのです。

    しかも、下手に車のデザインを良くしようものなら、上位車種の購買層を喰ってしまう可能性があります。将来のモデルチェンジ時には、自らを苦しめる事ともなりましょう。そういう意味では、デザインを良くする事は、借金を抱える事と同じです。未来にノルマを課す行為です。単発で良いデザインを作る事は簡単でも、絶えず良くして行く事は大変です。だから、デザインを良くする事は禁じ手なのです。車に良いデザインを与えるデザイナーは、トヨタのデザイナーとして失格です。そして、デザインを良くしなければ売れないような車では、トヨタ車として失格なのです。だからトヨタは、車の価値を他に求めます。

    でも広告では、素晴らしいデザインの車が出来上がりました、と謳う訳です。ヨーロッパでデザインしました、なんて事も言うわけです。そう言った方が、お客さんの反応は良くなるでしょう。例えそれがどんなに良くないデザインの車であったとしても、自画自賛する事で誇大広告として訴えられる事はありません。だから広告では、何とでも言う事が出来ます。それが、広告重視の戦略の長所です。

    そういう意味では、「なんとかの魂でマークエックスは完成する。」というキャッチもありましたが、あれは本当です。トヨタ車は、広告無しには完成しません。

    車のエクステリア・デザインを低めのラインに設定し、不足分を年間予算1,000億円の広告費でまかなう。それが、トヨタ流なのです。そのためには、車の印象はできるだけ薄口な方が良く、その方が演出上、色も付け易かったりします。

    この方法には、他にもメリットがあります。プロモーションが上手くいかなかった場合は、広告だけを差し替えれば、商品イメージを変更する事が可能となります。不要な在庫を抱えるリスクもなければ、工場のラインを変更する必要もありません。

    なんて素晴らしい戦略なんだ、良い事尽くめだ。そう思うのは、売る側の立場の話です。そのようにして出来上がった車は、多くの人にとっては魅力的には写らないでしょう。

    でも良いのです。

    1,000億円の広告費をもってすれば、極僅かなパーセンテージでも、購買まで結びつく人はいるものなのです。デザインが良くなくても、全然かまわないと言う人も、世界中にたくさんいます。だから、デザインを良くせず、それ以外の部分から外堀を埋めていく戦略を、トヨタはとるのです。そういう意味では、カンバン方式も、ジャストインタイムも、「カイゼン」も、トヨタ車の優秀性を外側にアピールするための、マーケティング戦略の一環に過ぎないのではないか。物事の側面に目をつぶり、都合の良い部分だけを、ことさら凄い事のように言っているだけなのではないか。そんな風にさえ思えてきます。

    ただ、スポンサー協力という形で、マスコミの口を封じてきたトヨタ商法が、今後も上手くいくのかというと、私は少し疑問に思います。これからの消費者は、自動車メーカーの支配下にないインターネットからの情報もどんどん取り入れて行きます。これまで中高年層向けに通用していたやり方が、次の世代にそのまま通用するとは思えません。ですからトヨタも今のうちに、デザインに本気で取り組む体制づくりをしておいた方が良いでしょう。

    オーリス そういう意味ではこのオーリスのデザインを見ても、何も感じない人もいるでしょう。

    オーリスが世界戦略車だと言われても、意味がわからない。ピンとこない。そういう人もいるかもしれません。

    しかし、これこそが、トヨタの狙い通りのラインなのです。普通の人がオーリスを見て、不快に思わないレベルのデザインであるとすれば、その奥で、オーリスを良いと感じる人もいるのです。一つの広告として全体を捉えた時、オーリスは魅力的な車なのです。

    そういう意味でオーリスは、見事なまでにトヨタ流です。


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    自動車・批判・批評・評価・評論テーマ:カーデザイン - ジャンル:車・バイク
    2006.12.13 | トヨタ | トラックバック(0) | コメント(0) |












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