ホンダ ストリーム
ストリーム 開発者インタビュー
【D視点】ホンダ ストリーム
ストリーム(STREAM) デザイン解説
冒頭のかわいらしい写真は、「コミミトビネズミ 」。生まれ故郷は、パキスタンからアフガニスタンにかけての砂漠の地。
おとぎの国から飛び出したかのような、この愛らしい2頭身の姿を初めてテレビで見た時は、私も驚きました。まるでアニメ・キャラ、お人形さんです。大昔に日本人が初めて西洋人を見た時も、このような驚きであったに違いありません。
一方、ホンダが誇る2頭身アニマルといえば、新型ストリーム。
これは、見てすぐ分かりました。
オオカミ!
その通り。ホンダ ストリームのエクステリア ターゲット イメージは“シルバーウルフ”という事ですから、ウルフを表現する事には成功していると言えます。しかし、それで本来のデザインの目的も達成されているという事になるのでしょうか?
動物にヒントを得てデザインする事は良しとしても、それはもっと抽象的、観念的なところで留めておくべきです。オオカミである事が、結果として消費者に「怖い」とか「恐ろしい」とか、購買に結びつかない感想を抱かせているのだとしたら、意味がありません。実のところ、私にはオオカミの「牙」までもが見えているのです。そのシルバーウルフは、 赤頭巾ちゃんに登場する、ずる賢いオオカミ。しかも、2頭身的なアンバランスが目立つ為に、オオカミがお婆さんの洋服を無理やり着込んでいるようにも見えるのです。最近のホンダ・デザインの仮装大賞化には、欽ちゃんも驚いている事でしょう。
ただ、このデザイン・スケッチで表現しようとしていたストリームの世界観は、分かるのです。普通乗用車のような低いフォルムで、スタイリッシュなミニバンをデザインしようという狙いです。確かにこれは、なかなかカッコ良いデザインだと思います。ホンダの低床技術があれば、それに近い世界も実現できそうな気がします。
しかし、車高を現実的なものに設定してしまった段階で、デザインが壊れてしまっています。ストリームの、デザイン原案に対する実車のデザイン実現指数を数値で表せば、20〜30%という事になるでしょう。元のデザインの良さは、どこかに吹っ飛んでいってしまっています。普通のミニバンに、顔を後付けしてつないだかのような仕上がりです。
自動車業界のデザイン・スケッチが、実車とかけ離れている事には驚くばかりです。タイヤのサイズが22インチ位ありそうなものであったり、車高や車幅の設定が全然違っていたり。バーチャルな妄想の世界に、現実逃避していたり。
最初に大風呂敷を広げてイマジネーションを膨らまし、モチベーションを上げてから、現実プランに向かってデザインと技術とのせめぎ合いを行っていこうという狙いは分かります。しかし、そのやり方がこれまで実を結んでこなかった事も、また事実でありましょう。結局リアリティが足りないから、実現に向かう事を皆が最初から諦めてしまっているのです。スケッチは、単なる絵に書いた餅だと思われているのです。その辺りにも、今後ホンダがデザインを改善していく鍵はあるのではないでしょうか。
でもストリームは、マイナーチェンジで前よりは良くなったから、まあイイか?
怖い顔か、癒し系か。両極端過ぎます。
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自動車・批判・批評・評価・評論テーマ:国産車・外国車 - ジャンル:車・バイク
2007.03.11 | ホンダ |
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